トップページ可タグより画像をお借りしてます

【TIPS】肌をリアルに見せるライティング(概論)とHS2PEを使った調整など

サムネイル

ダウンロード用ファイルはサンプルのシーンデータ&プリセットです。使用したマップMODはこちら

過去の参考情報・TIPS

【シーンデータ使用上の注意】使用MODの紹介など

【ライティングMOD】Graphicsの基本的な調整方法・スタジオ編

【NGSS】逆光に浮かび上がるケツのライティングとサンプルSD

使用キャラのカード

【NGSS】ABMX Samples: Various Maries

①肌をリアルに見せるライティング概論

絵画の歴史上、人物をリアルに描くことは最大のテーマのひとつでした。特に、肉体美を写実的に描くことが好まれたルネサンス以降、芸術家たちは肌をリアルに描くべく様々に工夫を凝らしました。

人の肌をリアルに描こうとするとき、最大の問題は、絵具の持つ性質から生じるものでした。つまり、絵具は色を混ぜたり重ねて塗ったりするほど、暗くなり黒に近づいていきます。人の肌をそのまま再現するような顔料は知られていなかったので、肌の色を再現するためには絵具を混ぜたり重ねたりする必要があり、その結果、どうしても色調は暗くなってしまいました。このことは、特に好まれた画題、すなわち「白く輝くような肌を持つ裸体の美女」を描く上で、大きな障害となりました。

イタリア・ルネサンスはミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロらの時代に頂点を極めましたが、彼らの天才をもってしても、艶めかしく輝く肌を描くことはできませんでした。そして、その後進の芸術家たちは、彼らが「完成させた」技法に満足し、その技法をやや誇張して表現することが、優れた芸術の基準とされるようになりました。

彼らの技法は、ルネサンス以前の平面的で観念的な絵画とは一線を画すものでしたが、躍動感に欠け、美的ではあってもエロティシズムを感じさせないものでした。その大きな原因のひとつは、立体感に乏しくずみずしさの感じられない肌の表現にありました。ちなみに、こうしたルネサンス後期の芸術を表す「マニエリスム(=技法主義・様式主義)」という言葉が、マンネリズムの語源となっています。

このようにマンネリに陥った16世紀末のイタリアに、カラヴァッジオという大天才が登場します。彼は、人物に一方向から強い光を当て、そこから陰の部分までグラデーションをつけて肌を描くことで、立体感のあるリアルな人体を描くとともに、背景を徹底的に暗くし、強烈なコントラストで人物を浮かび上がらせました。

彼の描く人物(その多くは美少年や美青年でした)は、あたかも生きているようにみずみずしく、そしてエロティックで、彼はたちまちローマで最も人気のある芸術家となりました。惜しむらくは、彼のパトロンであるフランチェスコ・デル・モンテ枢機卿が有名な少年愛者であったため、女性を描いた絵が少ないことと、あまりの素行の悪さから30代で処刑されてしまい(wikiによると、死刑判決後、恩赦を求める旅の途中で病死)、死後に急速に名声が失われてしまったことです。

それでも、彼の生みだした、徹底的に明暗を強調し強いコントラストで人物を描く技法は、レンブラントやルーベンス、ベラスケスたちに受け継がれ、今日の肖像写真やCGライティングにも強い影響を与えています。

19世紀後半には、「絵具を混ぜたり重ね塗ったりすると暗くなってしまう問題」を解決する方法として、モネの筆触分割やスーラの点描といった技法が試されたものの、人の肌をリアルに描く方法としては失敗に終わっています。

結局、今日においても、カラヴァッジオの以下の手法が、人の肌をリアルに描くための最適解なのです。

  • 人の肌の色を再現するために絵具を混ぜたり重ね塗ったりすると、暗くなってしまう。
  • そこで、人物に一方向から強い光を当てて、光の当たっている部分は色を薄く明るくし、陰の部分は濃い色にして立体感を出す。
  • さらに、背景を暗くし、強いコントラストで人物を浮かび上がらせる。

さて、CGでは絵具を用いるわけではないので、「混ぜたり重ねたりすると暗くなってしまう」という問題がそもそも存在しません。

しかし、CGの世界で絵具に代わって色をもたらす光には、「重ねると明るくなり、白に近づいて色の判別が難しくなる」という真逆の性質があります。これは、肌の色に濃淡を付けて立体感を表す上で障害になるという意味では、絵画における絵具と同じです。

われわれは、平面に描画された対象物を色(輝度)の違いで立体と認識するので、人物全体を絵具で肌色に塗ると暗くなって立体感が失われるのと同様、人物に正面から強い光を当てると明るくなりすぎて立体感が失われてしまいます。

したがって、カラヴァッジオの手法は、CGにおけるライティングにおいても、肌をリアルに見せるための最適解なのではないか、と私は考えています。

絵画における手法をCGに置き換えると、具体的には

  • 光が強すぎる、または光を重ねすぎると色の判別ができなくなる(いわゆる「白とび」)ので、光は強過ぎず光源の数は少ないほどよい。
  • 人物に対し、正面ではない一方向から光を当て、明るく白っぽい部分と、暗い陰の部分を作って立体感を出す。
  • 背景を暗くし、強いコントラストで人物を浮かび上がらせる。

ということになります。

ところで、明るい屋外では、最後の部分、カラヴァッジオの手法の肝である「背景を暗くして人物を浮かび上がらせる」ことができません。その場合には、

  • 人物のすぐ後ろに家具や機械などの異質な物体を配置する。
  • 肌の色と対照的な空、水、植物などを背景にする。
  • DOF(被写界深度)を強くする。

など、人物を浮かび上がらせる工夫が必要になるでしょう。

 

②バックライトの使い方

今回、明るい屋外のシーンに挑戦した際に、人物の陰側(光の当たっている部分の反対側)と背景との境界に、太めでギザギザの法線が目立ったのが気になりました。

対策として、アンチエイリアスを調整したほか、バックライトを当てて緩和させましたが、完全には解消できませんでした。

バックライトは、陰側からの光の回り込み(回析)を表現することで、リアリティを増し人物を浮かび上がらせるので、屋内での暗めのシーンでも非常に効果的です。

なお、Graphicsの設定タブの下部にある「詳細」にチェックを入れると、各ライトの適用対象をmapのみ・characterのみというように設定できるようになります。バックライトはキャラクターのみに設定した方がよいでしょう。

 

③HS2PEを使った調整

その1:colliderの調整

マリーちゃん髪MODのツインテール部分は、身体に衝突せず、重力に従って下方向に流れるようになっています。キャラの身体との衝突判定は、各部位に設定されたcolliderというシリンダー状の空間で行われますが、デフォルトの設定ではcolliderが大きすぎるため、身体から離れた位置で髪が弾かれてしまいます。

そのため、髪をかき上げるポーズや、身体に沿って髪を流れさせる際には、HS2PEのAdv.modeから、Collidersを選び、各部位のcolliderを適切な大きさに調整する必要があります。

その2:リボンの調整

マリーちゃん髪MODのリボンには厚みが無いため、真正面から撮ると消えてしまったりします。HS2PEのAdv.modeのBonesで、ribbonで検索(Seach)するとリボンに設定されたboneが出てくるので、Rotationでリボンの向きを調整したり、Scaleで長さを調整したりできます。

アップロードファイル(クリックでダウンロード)

エモーションボタン

いいね!(12)エロい!(1)実用性高い!(17)感動した!(5)面白かった!(4)完成度高い!(4)
いいね! ユニーク! エロい! 実用性高い! 感動した! 面白かった! 完成度高い! カッコいい! かわいい! キレイ!

一言感想ボタン

tips |

+ボタンをクリックすることで追加することができます
×ボタンをクリックすると削除確認メッセージが表示されます
虫眼鏡マークをクリックすると同じボタンをつけられた記事の一覧が表示されます

※ボタンを押した回数はキャッシュされるため、表示が反映されるのは編集などでクリアされるか、30分ごとです

19件のコメント

    1. コメントありがとう。
      キャラの身体に設定されているcolliderのほか、Joan6694DynamicBoneCollidersというMODで追加されるcolliderはスタジオアイテムとして使えるので、床・ベッド・テーブルにcolliderを設定して髪を流れさせることもできますゾ。

  1. 天才たちの「いかに裸体をエロく描くか」という血のにじむような努力の末、我々のオ〇が捗るのですね
    胸が熱くなります

    1. コメントありがとう。
      画題の面でも、現代よりはるかに道徳に厳しかった中世~近代に、何とかしてエロを描こうという画家たちの執念は感動的です。よくタコに襲われる海女の浮世絵を見て「さすが変態大国」みたいに言われますが、西洋絵画でも好んで題材に使われたスフィンクスやらハルピュイアやら洗礼者ヨハネとサロメやら、なかなかハイレベルな変態具合ですよ。

  2. すばらしいライティング講座ありがとうございました。骨氏の作風はカラバッジオの「キアロスクーロ」だったのですね。わたしは山田五郎氏の動画で勉強しました。ご存知の内容だとおもいますがよければ面白いのでご覧ください。
    https://www.youtube.com/watch?v=eZp4KvoQ_Fs

    このプールのスクショのシーンのgraphicsのプリセットをいただけませんか?
    なかなかうまく再現できません。よろしくおねがいします。

    1. コメントありがとう。プリセットを追加したのでご利用ください。
      山田五郎さんの動画めっちゃ面白いですね。私の読んだ本では、モデルの女性をめぐる三角関係で殺人を犯した、という書き方だったので、カラヴァッジオさんはホモではなく、美少年好きのパトロンのために少年の絵を描いていたと思っていました。でも、自分も好きでなければあの表情は描けないでしょ、という山田五郎説にも説得力がありますね。

  3. すごい!私もいろいろ調べてコントラストが高いものが美しいと学びました。
    初心者はゴットライトを使いたがるともw自分かな?w

    1. コメントありがとう。
      ファンタジーっぽいテーマだとコントラスト弱め&ブルーム強めが合うとか、いろんな場合があると思いますが、肌のリアルさを追求するなら、ある程度コントラストを強くすることを意識した方がいいでしょうね。

      1. Graphic使うと、明暗はっきりのぱきっと仕上げたくなる。
        DHHを使うとぽわぁっとやわらかいく仕上げたくなる。
        その程度の認識でやってて恥ずかしいw

  4. スーラさんのあの点描って闇に浮かび上がるケツを表現するために作られたのか

    1. コメントありがとう。
      ゴッホとかアンリ・ルソーみたいなちょっとアレな人たちを除けば、全ての画家は間違いなく乳かケツのために絵を描いてますね。スーラさんなら代表作の「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を見てください。一番手前の婦人は、見事なまでにケツを強調したバッスル・スタイルですよね。あのケツを描くために、点描画法を確立したと考えて間違いないです。

  5. 何度も質問すみません。
    kky_midday8k.cube
    というのが足りないと出るのですが、どこで配布されてますでしょうか?

  6. ありがとうございました! 骨さんのスクショ再現できて、スカイボックスの選び方動かし方、明るさなど基本的なことも勉強できました。奥が深いですが、お作りいただいているチュートリアルでさらに楽しく学んでいこうと思います。引き続きよろしくおねがいします。

    1. お役に立てて幸いです。
      ライティングを追求すると美術史にいきつく、とは思っていましたが、実際にそこまで知ろうとしている人がいるとわかって嬉しかったです。

    1. はっきりわかりませんが、cubemapがないのかも。その場合はコメント6への返信に入手先のリンクがあります。

      1. 確認したところ、すでにcubemapは導入していました
        本人さんにも原因が分からないとのことなので諦めます
        返信ありがとうございました

        1. Graphics という照明のMODを入れて、シーンファイルに同梱されているプリセットは適用していますか?

コメントを残す

現在コメント投稿が一部制限されています

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です